次の休みはドロンします。

派遣OLの旅行記や派遣記、生活の知恵など

スポンサーリンク

小説【この世にたやすい仕事はない】感想 どんな仕事も結局大変…めっちゃ刺さる。

最近なにかと仕事にモヤモヤして、お仕事系小説をよく読んでおります。

津村記久子さんの「この世にたやすい仕事はない」という小説が…すばらしく的を得ていて、共感しすぎて読むのがつらいほどだった…。(つまりすごかった)
楽な仕事を選んだつもりでも結果しんどいって、あるよね。

 

アラサー派遣的に「この世にたやすい仕事はない」がドンズバ共感しまくり

この小説の主人公は30代半ばの未婚女性。前職でまじめに取り組んだ結果燃え尽きるように仕事を辞めてしまい、そのつなぎにいくつもの摩詞不思議な仕事に就くっていう話。
まずさ、燃え尽きるように仕事を辞めるってわかるよね。あるある。で、まだ頑張って働く気にならないから「極力大変じゃない仕事」を求めて次々に転職していくんだけど、それぞれそれなりの苦労があるわけで。。


業務量が少なくたって暇で退屈だったら大変。同僚に恵まれて仕事自体が楽しくても、仕事に愛着を持って責任を感じだしたら大変。。わかりみがふかすぎる。。

もはやこういう状態の時ってどういう仕事がしたいかはおろか、仕事に求めてるものって皆無なんだよね。


働かないとしょうがないから、極力平和に働けないかっていう一点だけなのよ。
特に派遣やってるといつか陥る境地っていうか、こういう人多いのではと思う。いや、もちろんやる気をもって頑張ってる人だってたくさんいるんだけれども。。

 

会社あるある・登場人物の描写がリアルすぎる

この小説はお仕事系によくある「バリバリ働くぜ!」とか「不屈の心で頑張る」みたいなのとは真逆の視点なのでゆるゆる読めるんだけど、たまに同僚とかの人格がリアルすぎてゾッとするんだよね。
こういう人、会社にいるいる!!みたいな。
「元は親切なものの、自分に害が及ばないように一定の距離を置く人」とか、めっちゃいるよ。わかる。作品中ではこういう人を「普通だ」と表現してました。さすがだ。

なかでも身震いしたのが、具体的な登場人物ではなかったものの
「心にぷすぷすと針を刺すように小さな穴をあけていく人」。
社会に出てしばらく経ってる人なら大体出会ったことあるんじゃないだろうか。一気にダメージを与えてくるわけじゃないんだけど、気づいた時にはこっちの心は空気が抜けて立ち直れなくなってるっていう。

 

働くモヤモヤをありありと書ける作者に脱帽

舞台こそなかなかありえないような不思議な職場ばかりなんだけど、書いてることは誰にでも共通するような普遍的な仕事の悩み(というかモヤモヤ)。
どれも社会人あるあるすぎて、共感しまくりよ。津村記久子さんの本を読んだのは初めてなんだけど、自身も社会人経験があって会社系の作品が多いそうです。
おおお、すごいよ…!!こういうこと自分も体験してるけどさ、普通に起きることを文章で表すって難しいよ。突拍子もないストーリーより日々の変哲もないことを書けるって、小説家はすごいわやっぱり。

30代女性の世捨て感とか達観した感じ、逆に心に火がついてしまう場面なんかもすごくリアル。「これは私だ」って、たくさんの人が感じると思う。


作品中に

仕事と愛憎関係に陥ることはおすすめしません」

っていうくだりがあるんだけど、まさにその通り!!と叫びたくなった。
仕事に対して情熱をもって腰を据えて働けない以上、悲しいかな何も感じず淡々と仕事をこなすのが何よりも大切になってしまうのです。それが仕事を続ける秘訣というか。

仕事に向き合う覚悟がないのに愛着を持ったりやる気になってしまうと良くない。勝手に期待した分、裏切られると悲しくてたまらなくなったり、同僚に対して不満を感じたりするわけですよ。

なのに思いがけず自分にはコントロールできないやる気が芽生えたりして、働くって難しい。
まあ社会人として健全じゃないことも重々わかってるんだけど、こうやって(いわゆる腐って)日々をやり過ごして生きている人もたくさんいるわけで。

f:id:kiravoyage:20200301212001j:plain

最初は主人公が自分に境遇がちょっと似てて「主人公も頑張ってるからわたしも頑張ろう♪」とか思ってたんです。

が、あまりにモヤモヤの描写が的を得すぎてて、読みながらたまにグサッと傷ついたりしてました。。
でもなんていうか、このモヤモヤに名前を付けてくれたというか文章で表してくれたことに対してすっきりした部分もあります。

読んでスカッとはしないけど、滋味深いというかジワジワ心に残る作品でした。っていうか読みごたえもあってふつうに面白かった!

 

プライバシーポリシー お問い合わせ サイトマップ